「トラウマ神話」を見直してみる

こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。

今回はトラウマと呼ばれているものについて考察してみます。
色んなセラピーがトラウマの解消をうたっています。

その前提となる考え方は、
以下のようなものです。

子供の頃の、
痛みに満ちた経験が現在に影響している。

その記憶を思い出せないことがあるのは、
抑圧しているから。

自分でも気づかない抑圧された記憶が、
現在の生きづらさにつながっている。

だからセラピーにおいて、
抑圧された過去のトラウマとなっている記憶を呼び起こし、
それを解消することが大切だ。

そうすることで、
初めて人は過去の束縛から自由になれる。

この考えを絶対視することを、
私は個人的にトラウマ神話と呼んでいます。

トラウマを解消するという考え方は100年以上前からあり、
催眠術という形で行われていました。

精神分析の創始者フロイトの指導を行った当時の神経学の権威シャルコー氏も、
催眠術の達人だったと言われています。

そして医学的な治療では治せないヒステリー症状、
四肢麻痺・失立失歩・失語症・心因性失明等に催眠術治療を行っていました。

フロイトはシャルコーから催眠術を学びましたが、
思うような結果を出せず、挫折体験をします。

催眠術は、あまり得意ではなかったようです。

そこで催眠術以外の方法で過去の記憶を呼び起こす方法を工夫し、
自由連想法等さまざまな技法を統合し、精神分析を創始しました。

過去の痛みに満ちた記憶は意識によって抑圧されている。
この抑圧を解放し、トラウマを吐き出させることでクライエントは良くなる、
という意識/無意識モデル(局所論)の誕生です。

昨今のトラウマ解消をうたっているさまざまなセラピーの源流は
ここにあると思います。

ところが無意識を探り、トラウマ解消をするアプローチで、
うまくいかないケースがあることがわかってきました。

そして意識/無意識モデル(局所論)から、
別のモデルへの変更を余儀なくされます。

「トラウマを吐き出させれば良くなる」
という考え方が全てではないとわかってきたのです。

トラウマ神話がぐらつき始めました。
こういった過去の経緯は、あまり知られていないように思います。

少し長くなりましたので、
フロイトが意識/無意識モデル(局所論)からどんなモデルにモデルチェンジしたのか、
機会があればブログ記事に書いてみようと思います。

今あるセラピーの背景についての理解の深まりは、
セラピーを選ぶ際に役立つと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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