「いい人」をやめると
こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。
このメルマガは、
皆様に心穏やかに暮らしていただきたい、という思いで書いています。
そのために役立つ知識や、
感情をコントロール方法を提供していきます。
このメルマガを読み、書いてあることを実践していくと
ネガティブな感情が減り、心穏やかになっていくことでしょう。
それでは、今回のメインコンテンツです。
今回は、私のクライエントさんに比較的多いタイプをご紹介します。
周りからは、明るく、元気で、前向きで、
悩みは、特にないと見なされているタイプです。
でも周りの高い評価とは裏腹に、自分で自分のことを肯定的に思えず、
そのギャップに悩んでいるのです。
よくよく話を聞いてみると、思春期のころからうつっぽく、
空しさ、空虚感を感じることも多いようです。
でも周りから「いい人ですね」と言われ、
ご自身は、そのことを重荷に感じているのです。
また、「人と会った後、ぐったりするほど疲れます」と訴えます。
ですから、「カウンセリングは疲れませんか?大丈夫ですか?」
とお聞きすることもあります。
しかし大抵「大丈夫です」とおっしゃいます。
そんな方も、回を重ねると「実は最初、すごく疲れてました」
と打ち明けてくれることが多いのです。
もちろん初対面のカウンセラーに対し、最初は緊張し疲れていたのが、
段々慣れてきたというのはあるでしょう。
でもそれだけではなく、
「カウンセラーに対し、ネガティブなことも含め、
言いたいことを言えるようになってきた」
というのが大きいと思います。
カウンセラーに対して「いい人」をやめたんですね。
まずは弱音を吐けるようになるところから始まりますが、
そこにとどまりません。
カウンセラーに対してネガティブなことを言い始めるのです。
「なかなか良くなりませんね」とか。
「今日はカウンセリングに来たくありませんでした」とか。
「めんどくさいと思ったけれど、しょうがないから来ました」とか。
でも、そう言っているときのクライエントさんはどこか嬉しそう…
こういう展開になってくると、調子が良くなってくることが多いです。
そんなこともあって、クライエントさんには、ことある毎に
「カウンセリングの内容や、私に対して思うことがあったら、
遠慮なくおっしゃって下さい」
とお伝えしています。
でも、最初はハードルが高いようです。
それは、
嫌われてしまうかもしれない…
関係が壊れてしまうかもしれない…
といった思いが出てくるからです。
「相手にネガティブなことを言うと拒否されてしまうかもしれない」
という恐怖があるのです。
この恐怖は、突き詰めると自分を否定されることに対する恐怖です。
この恐怖があると、
相手の気持に過敏になる。
相手が望んでいることに全力で応える。
笑顔を絶やさない。
といったあり方をやり過ぎ、へとへとに疲れてしまうのです。
だから、人に対して率直にものを言えるようになるというのは、
とても大きな進展です。
「この人との関係は壊れない」という安心感が出てきたのです。
あるいは、
「この人との関係が壊れたとしても、自分の価値はゆるがない」
という自信が育まれてきています。
この感覚が、こころの土台をしっかりさせていきます。
すると、人とぶつかり合うことを怖れなくなってきます。
ぶつかっても壊れない人間関係を実感すると、
人に対する根拠のない安心感、信頼感が出てきます。
「基本的信頼感」と言われるものが育まれてくるのです。
これは、こころの基礎工事ですね。
こころの基礎工事が進むと、こころの状態や人間関係が安定し、
調子が良くなっていきます。
これは、自分ひとりの力だけでできることではありません。
「他者」が必要なのです。
親しい人、愛する人と「こころの基礎工事」を育めたら最高ですね。
でも、単に相手にネガティブなことを言えばいい、
というわけではありません。
料理と同じで、火加減やさじ加減が大切なのです。
でも、人間関係が希薄になりがちな現代社会では、
難しいことかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。