抑圧は悪いもの?
こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。
カウンセリングやセラピーの仕事をしていると、
抑圧についておおむね共通した、
暗黙の前提を感じます。
それは以下のようなものです。
抑圧があると感情を抑え込んでしまう。
それはさまざまなメンタルや身体の症状の
原因になり得る。
症状が出ないまでも抑圧があると、
自分の感情に気づけず、無理をしてもわからない。
そのため急に調子が悪くなったりするので、
抑圧を解放し、
自分の感情に気づけるようになることが大切。
こういった考え方は、確かに一理あります。
フロイトの初期の理論もそのように捉え、
意識/無意識モデル(局所論)と呼ばれていました。
この前提は抑圧のデメリットを
捉えているように思います。
しかし、物事は一面的に受け取ると、
盲点が出てきます。
果たして抑圧は、
百害あって一理なしなのでしょうか?
例えば赤ちゃんは、
自分の感情を抑圧することができません。
ほぼ自分=感情なので、
抑圧する部分がまだないのです。
だから自分の感情に対して、
とても素直です。
しかしそれは、
専門的には快/不快原則に
支配されていると捉えます。
大人になっても、この原則だけに支配されていると、
他人の気持ちに全く関心を持ちません。
当然他人と協力関係を持つことは困難ですし、
少しストレスがかかっただけで、
めげてしまいます。
社会生活を営むことが困難になります。
一方、抑圧する力があると、
自分と意見の違う人を受け止める力になり、
協力関係を築く能力につながります。
とは言え抑圧が強すぎると
大きなデメリットがあるのは確かです。
また全く抑圧しない状態は、
前述のように、別の大きなデメリットがあります。
抑圧と感情的自由。
この二つはどちらかに一方に偏ると、
それぞれデメリットがあります。
状況に応じて、この両極の間を動いていくのが現実的です。
動きのなかのバランスですね。
抑圧を全面的に悪いものとみなすのではなく、
柔軟に捉えることが大切。
抑圧と解放、
カウンセリングを行うとき、
その瞬間のベストバランスを大事にしていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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