今回は専門的ですけど、セッションを検討しておられる方にも役立つ内容です

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こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。

今回は専門的ですけど、
セッションを検討しておられる方にも
役立つ内容をお伝えします。

どんなカウンセリングやセラピーも、
基本的にはクライエントさんが
「良い方向」に進んでいくことを意図しています。

しかし色んな理論や技法があり、
それぞれ「自分のところが一番正しい」
と思っています。

しかし心は複雑で多様なものなので、
一つの理論、技法で全て説明でき、
全て対応できる、というのは無理があります。

実際のところ、現場で本格的にセッションをしていて、
経験値が上がれば上がるほど、
様々な理論や技法を組み合わせて提供する傾向があります。

いわゆる折衷派です。
私もこのスタンスでセッションをしています。

それだけ一つの理論、アプローチだけで行うことに、
行き詰まりを感じるからです。

もちろん安易な折衷派は、
お勧めできません。

一つ一つのアプローチが未熟なまま、
レパートリーを増やしても、
クォリティが下がることはあっても、
上がることはありません。

少なくとも一つのアプローチを、
がっつり学んでものにする。

その先の話だと思います。

そしていろんな理論をアプローチを学び、
現場に導入していく。

当然最初は、
混乱します。

その混乱を最小限にし、
統合的に様々な理論やアプローチを使いこなす。

その際役に立つ視点のひとつが
「発達」です。

心は次第に
「発達」していくものだということ。

そしてメンタルの不調は、
ある発達段階での不調が、
大人になってからも尾を引いていること。

そう聞くと、
「小学1年生の時に不調があったとしたら、
私の精神年齢は7歳ということ?」
と思われるかもしれません。

その答えはイエスでありノーです。

瞬間風速的には
7歳と同じような状態になることはあります。

しかし、年齢相応の判断が
出来る時もあります。

そうでなければ、
社会生活が送れるはずはありません。

そこで多くの人は混乱するのです。

大人と思って話をすると、
7歳のような反応で、
困惑させられる。

でも仕事はできるし、
職場でも人望はあるし。

これはどういうことなんだろう?

その答えは、未発達で取り残された部分と、
大人の部分が同時に存在するということ。

こういった取り残された部分のことを、
心理学用語では固着と言います。

あるときは固着した7歳の自分にスイッチが入り、
そのように感じ考えることしか出来なくなります。

しかし別のときはある程度社会に適応した
大人として感じ考えることが出来る。

こういったまだら現象事態は
異常というわけではありません。

ある意味誰にでもあるもの。

ただこの傾向が著しいと
生きづらくなります。

そのバランスを取るために、
カウンセリング、セラピーがあるわけです。

例えば7歳の時の固着があり、
インナーチャイルドワークをしたとしましょう。

これはかなり有効です。

しかし5歳、3歳、1歳、0歳と、
固着の年齢が下がってくると
このアプローチの限界が出てきます。

それは固着はあったとしても、
基本的に大人である私たちは、
どうしても今の発達段階の
とらえ方しかできないからです。

より早期の固着があると、

「他人の立場で考える」

「他人の感情と自分の感情を区別する」

「自分の身体と環境を区別する」

といったことが理解できない
という状態があります。

なかなか実感しにくいかもしれません。

それは健全に発達していると、
未発達の状態が、
逆に感覚としてわからないのです。

こういった、より早期の固着に対して、
インナーチャイルドワークが前提としている
理論は通用しないのです。

「でも胎児のときのワークをしたら
すごく変わりました」
等と思われるかもしれません。

もちろん、
そういったセッションはあり得ます。

でもそれは、胎児の時の固着と、
大人の部分のまだらがあっても、
大人の部分の健康度が高いのでうまくいったケースです。

しかし胎児の固着が大きく大人の部分が小さいと
イメージが発生する以前の発達段階が支配的になります。

するとイメージを使ったワークは、
成り立ちません。

もちろん言葉も
通用しません。

そんな時、「イメージや言葉がある」という前提の
心の理論は合わないのです。

「イメージや言葉」が発生する以前を理解する
心の理論やアプローチが必要です。

心には様々な発達段階があり、
それに応じた理論、アプローチが必要なのです。

それらを適切に選び、
提供していくのが本当の意味での折衷派です。

それには、
「発達」という観点を持つことが大切です。

とは言え、様々な理論を
手当たり次第に読書したとしても、
対応力を高めるのは困難です。

やはり具体的な事例に対して、
どういった発達のテーマがあるのかを特定する。

そしてまだらの度合いを見極め、
具体的にどのように対応するか、
専門家と一緒に検討していくのが最短コースです。

ご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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