万能感、全能感とセルフイメージの高さは似て非なるもの

こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。

メンタルのコンディションが
本当の意味で上がってくると極端さが減り、
バランスが良くなってくることについて前回書きました。

この極端さをもたらすものについて、
もう少し掘り下げてみます。

それは「自分に対する厳しさ」と
関係しています。

要は自分に
無茶振りをしてしまうんですね。

現実にはおよそ不可能と思えることを
やろうとする。

冷静になればわかりそうなことなのに、
いつのまにか「出来て当たり前」と
なりやすい。

こういった感覚を、
万能感とか全能感と言います。

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これは一見、
セルフイメージの高さと
誤解されます。

ある種の自己啓発セミナーでは、
これらを同じものとみなします。

そして向上心の表れとして、
推奨すらします。

でもそれは精神の成熟とは真逆の、
より未熟な状態への退行につながりやすい。

なぜなら人間が、
もっとも万能感、全能感を感じるのは、
赤ちゃんのとき。

ある意味、
全宇宙は全部思い通りになると
錯覚している。

本当は、
最も周りに依存している
時期なのに。

赤ちゃんは、自分と周囲の区別を、
まだつけることができない。

だから自分とお母さんの
区別もない。

心をこめて世話をしてもらっても、
それは当然のこと。

「大変そうだな」と
思いやることは、まだできない。

自分の空想と現実の
区別もない。

だから空想したことが、
現実に起きないと
猛烈な欲求不満。

我慢ができない。

ちょっと寒かったり、
お腹がすいたとき、
すぐに対応しないと大泣きすることも。

それは赤ちゃんにとっては、
極めて不本意な状態。

つまり万能感、全能感は、
この赤ちゃんの時期がマックス。

徐々に自分と周りの区別や、
空想と現実の区別がつくことで、
落ち着いてくる。

ただこれらの区別のなさが、
大人になっても一部、
残ってしまうことも。

固着と呼ばれています。

すると自分に対する、
一見根拠のない厳しさも残ってしまいます。

その背後には、「できてあたりまえ」という
万能感、全能感が。

するとこの厳しさを真に受け、
現実世界で、あるべき状態を目指すことに。

それを実現することは、
極めて困難。

なぜなら現実を考慮しない、
高すぎる目標になるから。

それは時として、
神の域に。

この心理パターンは、
かなり頻繁に見受けられます。

そのため集合無意識的な
パターンになっています。

そして神話は、
集合無意識が表現された物語の宝庫。

例えばギリシャ神話に、
イカロスの翼の話が出てきます。

蝋でできた翼を持った、
イカロスという青年がいたそうです。

そしてその翼で、
自由に羽ばたくことができた。

ワクワクする話ですね。

(少し興ざめかもしれませんが、
物語で翼、羽ばたき等の表現は、
全能感のテーマと心理学的には考えます)

そして頭上には
光り輝く太陽があった。

イカロスは羽ばたき、
その太陽を目指した。

どこまでも、
どこまでも。

しかし太陽に近づきすぎたため、
蝋でできた翼が溶けてしまい、
高みを目指したはずが、
逆に地面に叩きつけられてしまった。

この物語は、
現実を顧みず高みを目指し続けることに対する
教訓になっています。

高みを目指せば、
確かに理想には近づくことができる。

しかし決して
到達することはできない。

しかも無理をし過ぎることで失速し、
落っこちてしまう。

空から地面に叩きつけられるほどの
衝撃で。

それは空想と現実の区別が
ついていなかったから。

万能感、全能感で行動し
無茶をしたから。

それは高いセルフイメージとは、
似て非なるもの。

高いセルフイメージは、
もっと現実に即した、
地に足ついたもの。

この区別を明確にし、
セルフイメージを
高めていくことをお勧めします。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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